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手段と目的をもって表現をするということ

白妙彩磁壺:圧倒的に美しい白の表現を追求する庄村久喜の作品。美しいラインを束ねて立体とするようなイメージで作られている。
                                                      白妙彩磁壺

 

久しぶりの投稿です。

 

現在の白磁スタイルになって十数年が経ちました。

 

磁器のまち有田で白磁を焼く意味は何か?

 

磁器素材とどのように向き合っていくべきか?

 

いろんな思考を巡らせることで生まれた現在のスタイル。

 

白妙の「妙」には、とても美しいという意味があり、

 

白磁に特別な想いを込めて名付けました。

 

このオリジナル白磁は私にとっても想定外に完成した白磁であります。

 

窯を開けて白妙磁(テストサンプル)を初めて見たときの感動は今でも記憶しています。

 

それからの数年間は、その魅力的な白をどのように見せていくかを追求する日々でした。

 

そして気付きました。

 

私の白妙磁はあくまで手段。。

 

使い方を追求し短期的なコンセプトはあっても

 

生涯をかけて追求する目的が定まらない。。

 

ずっとそのような日々を過ごしながら制作していました。

 

白妙彩磁によるオブジェ:庄村久喜が作るオブジェ。使えないことはない花入でもある。
                                                        オブジェ

一年前くらいでしょうか。

 

コロナの影響もあって、じっくりゆっくりと制作する時間が多くなりました。

 

何も動けない不安もありましたが、その分、過去を振り返る時間も作れました。

 

そして気づきました。

 

有田の自然に身を置くことで感じていた優しい時間。

 

幼少の頃は明確には理解していなかったが、

 

今思うと、自然すべてに流れ(リズム)を感じ、その流れがとても心地よく美しい。

 

そんな時間がとても好きです。

 

 

・・・・・

 

 

時間がかかった割に単純な答えなのですが、

 

私は 「美しい白磁を作りたい」

 

やさしく、心地よく、美しく。。

 

圧倒的に美しいと思える作品を追求し、一つでも多く後世に残るような作品を

 

作っていきたいと思っています。

 

目的として「圧倒的な美しさの追求」が明確になりました。

 

今はとても楽しく健康的に制作できています。

 

その中で、今まで通りコンセプトを立て

 

これからも作品作りに勤しんで参ります。

 

 

白妙彩磁壺:庄村久喜が制作した壺。リズミカルに流れるラインがとても美しい作品。
                                                        白妙彩磁壺